12/7 私の愛すべき家族たち II

 

ウチの『千とちひろ』は秋田犬だった。(*^^*)
その後も『千』は、我が家&私たち兄妹に多大な影響を残した。

ある日のこと。
まだ幼稚園児だった妹と、ひとつ年上の友達が軽トラックの荷台で遊んでいた。
千は嫌がりもせず、軽トラのそばにいつもお腹を地面につけるスタイルで座っている。
ちなみにこんなとき、シャミーは遠巻きに眺めている。猫はウルサイのは苦手。

子どもの遊びはすぐエスカレートする。
案の定、何かの拍子に友達が後ろ向きに落ちた。
コンクリート面なので、落ちたら多少は怪我もするだろう・・・
でも、無傷だった。
なぜか。

私は千の『キャン!』という鳴き声で振り返る。
すぐさま友達が泣き始める。
妹は驚いて荷台の上で固まっている。

小学校高学年になっていた私が駆け寄った。
『どうしたん?』
『エ〜〜〜ン!!!イヌに噛まれた〜!エ〜〜〜ン・・・』
『どこ!?ちょっと見せて・・・』
そこには血はみえず、うっすら4つの跡があった。

友達は千の上に落ちた。それも尻尾に近い位置に落ちた。
千は驚いて振り返りざまに歯を立てた。でも噛まなかった。
だから正確には無傷ではなく、4つの歯形が弱くプレスされていた。

私は『いたいの、いたいの、とんでいけ〜〜〜』をして泣きやむまで傍いにいた。
千は心配そうに見ていた。

それから後しばらく、彼女は『あのイヌにカマレタ』といっていた。
でも、私は思う。
千はわざとそこに居た。
突然の出来事なのに噛まないのは、彼女なりに予測していたからだろう。
幼い妹たちが心配でそこから離れなかった千。
やさしい、やさしい私のともだち。
愛すべき千姫。

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